try my best





「あの・・・、好きです!付き合ってください」
「・・・すみません。私には心に決めた方がいるので・・・」


柳生比呂士、本日15歳。
今日は目覚めがよかったです。私の妹が一輪の花と一緒に笑顔で起こしてくれたからでしょうか?そうです。今日は私の誕生日です。朝、私の思っている人を一目見れて(すれ違っただけですが)気分がよかったんですが・・・、なぜ私は今中庭に呼び出されて告白されているんでしょう。なんだか紳士といってもとっても正直言ってめんどくさいです。


「あれ?柳生くん。おはよう」
「おはようございます。どうなされたのですか?」
「あそこのベンチで本読んでたの。すっごく静かで風もちょうどいいの。あ、内緒よ?私と柳生くんだけの秘密ね」
「・・・では、私も暇があったらあそこで読みましょう」
「ええ。いいと思うわ!それじゃあ、」


さんはとても知的で言葉遣いもとても丁寧で話をしていて、とても気持ちがいいです。
この人が私の心に決めた人です(一方的にですが)しかし最近変な噂を聞くんですね。全部私の相方・・・仁王くん関係で・・・。


さん!」
「・・・え?どうしたんですか柳生くん」
「い・・・いえ。何でもありません。引き止めてしまって申し訳ありません」
「気にしないでいいよ!」


やっぱり仁王くんに聞いた方が早いでしょう。





「仁王くん・・・」
「なんじゃ」
さんとはどういうお付き合いをしているんでしょうか」
「・・・は。あ?なんじゃ柳生。のこと「質問に答えたまえ!!!」・・・」
ー!?そんなんただの友達に決まっちょる」
「そうですか・・・取り乱したりして失礼しました・・・」
「なんなら協力してやるかのー」
「余計なお世話です」


安心しました。仁王くんとさんはただの友達ですか・・・。噂というものは困ったものですね。


「そういえば柳生」
「なんでしょうか?」
がさっき中庭で男と一緒におったような気がしたんじゃがの〜告白されてるみたいじゃったよ」
「・・・失礼します」


最悪な誕生日を阻止するため、私は必死に走りました。





さん!!!」
「あれ?柳生くん。今日はいっぱい会いますね」
「あ、それじゃあさん、考えておいてね」
「はい、分かりました」

「今のは・・・」


生徒会長の森永くんですよね・・・。“考えておいてね”・・・告白の返事のことでしょうか。


「柳生くん?」
さん・・・」
「あ!柳生くん、渡しそびれていたんだけど。はいこれ」
「・・・?なんでしょうかこれ」
「お誕生日でしょう?」
「開けても・・・いいでしょうか」
「どうぞ!」


こんなミラクルなサプライズってあるんですね・・・。
私は今までにない胸の高鳴りを必死にあなたに聞こえないように平然を装いました。


「ブックカバーですね。ありがとうございます」
「柳生くんもよく本を読むでしょ?」
「ありがたく使わせてもらいますね。ちょうどほしかったところです」
「よかった!」
「あ・・・、さっきの。・・・森永くんは何を・・・?」
「え?あぁ、生徒会に入らないか?っていう勧誘でしたよ。まだ決めていないんですけど・・・」
「なんだ・・・そうでしたか・・・」
「柳生くん?」
「いえ。あ、さん・・・」
「なんでしょう?」

「風紀委員なんてどうでしょう?」



今は、彼女と話すだけで精一杯です。






(20091019)